憧れのウェア

日本代表のスキーウェア。

一番最初の思い出は高校スキー部でのインターハイ予選でした。

スタートエリアにいると「このウェアをゴールエリアまで降ろしてくれない?」とお願いされた。”JAPAN”と背中に大きく描かれていた紫色のMIZUNOのウェア。今でも忘れやしない。

隣にいた友人が「これ、ナショチ(ナショナルチーム)のウェアだよ!!」と興奮しながら教えてくれた。

友人の興奮に感化され僕もテンションが上がり、そのJAPANのウェアを上と下に分けて友人と一緒にゴールエリアまで降ろした。

そしてゴールエリアでその選手を待ちながら僕はそのウェアの匂いをこっそり嗅いだ。それだけでなんか速くなれそうな気がした。

そのウェアの持ち主は、後に可愛がっていただいた森ユキさんだった。

それからナショナルチームのウェアはずっと僕の憧れだった。

今とは程遠い情報量のなか、スキー場やスキー雑誌でナショナルチームのウェアを見ると、「今シーズンはこんなウェアなのか!」とワクワクした。

大学スキー部の時は12月の前半は糠平で過ごした。

隣のレーンで滑っていたのは、ゴールドウインのトリコロールカラーでベストが付いているナショナルチームのウェアを着た3人だった。

白土晶一、井山敬介、田口和馬。
最強のミズノチームトリオ。

ヘアピン抜けた次の深回り。
あれだけ上から、そしてポールが可哀想と思えるくらいアイスバーンに思い切り叩きつけられるあのワンターンは今でも鮮明に脳裏に焼き付いている。

ハンディカムで先輩の滑りを撮影しながらもこっそり彼らの滑りも撮って、そのワンターンを何回も見直した。

全身シルバーで背中にLOONEY TUNESウサギが描かれたゴールドウインのウェアに度肝を抜かされ、木村公宣さん・平沢岳さん・石岡拓也さんが揃って着用したグリーンとイエローのフェニックスのワンピースも無茶苦茶カッコよかったな。

大学を卒業して皆川賢太郎のエージェントとなり、一緒に行ったソルトレイクオリンピックは僕にとって一生の誇り。

そして40代になった今もナショナルチームのウェアへの憧れはずっと変わらない。

「ナショナルチームのウェアを着ている皆さんと滑ったり、ご一緒したりしているよ。そして君も着ることができたよ。」

高校時代の僕に教えてあげたらどうなるんだろう。
信じてもらえるかな。

そして、今の僕にも伝えてあげたい。

「スキーを続けてきてよかったね。」

みなさんの好きなナショナルチームのウェアはどれですか?