舞台「燦々」
稽古も回数を重ねて少しずつ作品の世界が広がってきました。
今まで出演した舞台は、稽古中は決まって「ちゃんと伝えることができるのか」「良い作品になるのか」という不安のまま稽古が進んでいきます。
(稽古や作品がダメということではなく不安症のせい)
でも今回の舞台はその感覚とちょっと違うんです。
今日1日台本を読みながら考えました。
どちらに共感するか、何が正しいか、観る側によって感じ方が全く違うんです。
緑の木々に囲まれ、鳥の声と風の音しか聞こえない場所を「自然」と呼ぶならば
街は「不自然」なのかもしれません。
今回の作品の舞台である山奥にある山荘は、心に深い傷を負った女性たちが過ごす場所。
自然の中で過ごす女性たちは、街で過ごすことができない「不自然な人」というレッテルを貼られ、
不自然な街の中で普通に暮らしている人は「自然な人」。
でも果たしてそうなのでしょうか。
どちらの行動・感情が人として自然なのでしょうか。
そしてその答えに正解も不正解も無いのだと思います。
ただただ普通に作品を観てただき、
気になった、興味を持った登場人物
そして琴線に触れるセリフや行動
それを素直に追って観ていただけましたら幸いです。
だからこそ、
だからこそ、僕たちはただただ作品の中の登場人物を生きれば良い。
というか、それが役者の当然の仕事なんだけど最近は色々考えすぎてしまっている部分がありました。
役の人生を。
この物語が始まる前の日は何をしていたか?
更にその前の日は?1年前は?
登場人物は台本より昔の人生を背負って、そしてこの物語に入ってくる。
台本より前のページを生きる。
まだまだ足りないことばかりですがひとつひとつ埋めていきます。