グラデーションの中で

舞台「燦々」
稽古も進み、作品に命が吹き込まれてきています。

今回の作品は、心に深い傷を負い、街で暮らすことできなくなった女性たちが暮らす山荘の物語。
稽古を通してその女性や、その山荘に街からやってくる人たちを見て思うことがあります。

普通と普通じゃないの境界線は?
正常と異常の境界線は?
自然と不自然の境界線は?

それは誰が決めるのか。ひとぞれぞれなのか。だったら明確な線引きはあるのか。
そもそも正常と異常と2つに分けることができるのか。

Mr.Childrenの「Gift」で好きなフレーズがあります。

——

「白か黒で答えろ」という難題を突きつけられ
ぶち当たった壁の前で 僕らはまた迷っている 迷っているけど
白と黒のその間に 無限の色が広がっている
君に似合う色探して やさしい名前をつけたなら
ほら 一番きれいな色 今 君に送るよ

——

僕たちは無限の色のグラデーションの中に生きています。

以前のブログにも書いたと思いますが、形容詞は「絶対評価」でも「相対評価」でもなく「主観」だと思っています。
薔薇を綺麗と思う人もいれば、刺々しくて怖いという人もいる。
パクチーを好きという人もいれば嫌いという人もいる。
その評価は誰からもおかされることはありません。

同じように、僕のことをカッコイイという人もいるかもしれないし、顔が濃くて苦手という人も絶対にいる。

役者などの職業関係なく、人は皆、周りの評価を受けながら生きています。
100人の友達がいれば100人の「田村幸士」の評価があって、それはどれも正解なんです。

直接なのかメディアを通してなのか、意図的なのか意図的じゃないのか。
そんなことは全く関係なくすべての評価が正しい。だから受け入れて認めるしかない。

逆に言えば、
じゃあ「誰に合わせる」ということ自体に意味があるのでしょうか。
誰かの評価に合わせれば他の人からの評価が変わるかもしれない。

もちろんそれはワガママとは違います。
社会の中で、仲間とともに生きているからには尊敬とマナーは必ず必要です。

でも、
人を評価して判断すること、
自分が自分を評価すること、

そんなすぐに決めつけすぎずに、その時、その場で感じたことを素直に認めて受け入れて、
そして決して自分を卑下せずに、前傾でもなく後傾でもなく、ただただまっすぐ立っていることが大切なのかなと思います。

舞台の話に戻りますが、
今回の登場人物は16人います。
観てくださった方全員がそれぞれの共感する人、心が揺さぶれる場所が違うはずです。

舞台の上に立っている人のなかで好きな人を観ることができる。
映像にはない舞台ならではの魅力を存分に楽しんでいただけましたら幸いです。

動画は昨日の群馬県みなかみ町。
みなかみ町は標高差があり長い期間紅葉を楽しめます。
今は藤原エリアがピーク。
こらから徐々に下がり、温泉街付近はこれからです!

劇団BLUESTAXI 第33回公演

『 燦々 』

ー あらすじ ー

人里離れた山奥に、悲しい過去を持つ女たちが、ひっそりと暮らす山荘があった。

行き場のない女たちは、自然の豊かさに触れ、また献身的な人たちに支えられながら、安息の日々を送っていた。

しかし逃れられない現実が彼女たちの前に立ちはだかる。

そこに思いを秘めた男たちも訪れて…。

劇団BLUESTAXIがお届けする淋しい人間たちの優しくて悲しくて愛おしい群像悲喜劇。

ー 劇場 ー

テアトルBONBON(中野)

ー タイムテーブル  ー

11月26日(火)19時(A)
11月27日(水)19時(B)
11月28日(木)19時(A)
11月29日(金)14時(A)・19時(B)
11月30日(土)14時(B)・18時(A)
12月1日(日)12時(A)・15時半(B)


全9ステージ
一部ダブルキャスト
★田村は全公演出演致します

ー チケット ー
前売  4200円
当日  4500円
※日時指定自由席


ー ご予約・詳細 ー
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