Serviceman

スキーの大会では、選手が最高のパフォーマンスを発揮できるように当日の雪質、雪温、雪面の硬さに合わせてスキー板をメンテナンスする“サービスマン” というスタッフがいます。

伊東裕樹さん

日本を代表する歴代アルペンスキーヤーたちを長きに渡ってサポートし、今回の平昌でアルベールビルから連続8回目のオリンピック帯同でした。

伊東さんに関する忘れられない記憶があります。
約17年前のスキードームSSAWS。

アルペンスキー日本代表が集まったイベントが終わり、佐々木明が脱いだスキー板を僕が重ねてストラップを巻こうとした時、
「僕のスキー板のストラップを巻くのは伊東さんだけって決めているから」
と言われました。

スキー板は選手の人生を左右する道具。
そこまで繊細に向き合う佐々木明のアルペンスキーヤーとしての姿と、そこまで信頼されている伊東さんに衝撃を受けました。

少しアルペンスキーを齧っていた身として、ストラップを巻くのはスキー板を片付けるひと手間としか考えていなかった自分が、そして選手をサポートする身として、選手の道具に対する向き合い方への考えが甘かった自分がとても情けなく感じ、今なおあの光景は鮮明に覚えています。

アルペンスキーヤーにとって伊東さんは憧れの存在。
伊東さんにサポートして欲しいスキーヤーは沢山います。
伊東さんとトップスキーヤーが歩いている姿は何度も見てきていますが、そこの空間は周りのそれとは全く違う空気でオーラをビシビシ感じていました。

今回の野沢温泉の滞在で伊東さんと3日間ご一緒させていただきました。

2人でスキー板を担いでスキー場へ。
なんだか自分がそんな環境にいるようで、無茶苦茶嬉しくて、光栄で、現役のアルペンスキー選手だってなかなかこんなチャンスは無いのに恐縮で、身体の中がものすごい勢いで熱くなった。

これから先、トップスキーヤーになれる訳でもない。
でも、まだまだスキーが上手くなりたい。
もっとアルペンスキーのトレーニングをしたい。
スキークロス、基礎、バックカントリーなど沢山のスキーを楽しみたい。
そしてスキーって本当に楽しい。
心から思った充実した3日間でした。